中小企業法人に対してかかる税金

法人税

はじめに

我々の生活とは切っても切れない関係である租税の納税だが、中小企業法人(以下、中小法人)の場合果たしてどのような税金が課税されるのだろうか?

ここでは中小法人が納めることとなる法人税等の種類及びその税率について解説をしたいと思います。

なお、これより先「中小法人」という表現を使用しますがこちらについても法人税法律上厳密に定義がされております。

そのためここで解説をする各制度における中小法人とは下記を意味します。

【中小法人】

事業年度終了時において「資本金の額若しくは出資の額が1億円以下の法人」であることまたは「資本金若しくは出資を有さない法人」のことをいう。

ただし、資本金の額又は出資の額が5億円を超える法人(大法人)による100%支配関係がある場合は対象外となります。

よく誤解される点として「資本金の額」はあくまでも資本金であり、資本剰余金は含めない金額である。

要約すると謄本に記載されている資本金の額に基づいて判定をします。

中小法人が納める税金の種類

一般的に中小法人が納める法人税等の種類は下記の通りとなります。

税金の種類

備考

特徴

法人税

国へ納付する税金

所得に課税

法人住民税

都道府県・市区町村へ納付する税金

所在地に課税

法人事業税

都道府県・市区町村へ納付する税金

所得に課税

上記以外にも消費税、地方消費税、固定資産税、不動産取得税、自動車税など様々な税金があるが、これらに関しては「所得」とは別の特定事由が生じた場合に課税がされるため本項目では割愛する。

事由の例:課税事業者になった、固定資産を保有している、不動産を取得した場合など。

それぞれの税金の計算方法及び税率

法人税

法人税の計算方法

まず法人税については下記の算式によって計算がされる

  「所得金額 × 税率 = 法人税」

結論だけ見ると非常にシンプルであるため「所得金額」の考え方と本年度の「税率」をしっかりと把握しておけば納めるべき法人税の額のシミュレーションも立てやすくなります。

正確には「各事業年度の所得の金額 × 税率」となる。

 ここでは簡便的に「所得金額」と表記致します。

所得金額とは

そもそも「所得」という表現に抵抗がある人も多いと思いますが、所得とは儲けを意味すると考えていただければイメージがしやすいと思います。

 この所得金額は下記のように計算がされる。

「その事業年度の益金の額からその事業年度の損金の額を控除した金額」

つまり、「益金損金=所得金額」となる。

益金とは会計上の収益に類似する事項で損金とは会計上の原価・費用・損失に類似する事項となる。

「類似」とあるのは会計行為が学問であるのに対し、税法は法律であることから生じる相違点があるためである。

近い性質を保有しているが異なる事項であることを示すため「益金・損金」という表現を使用しているのである。

ただし、現在多くの中小法人は税法を前提とした会計帳簿を作成するため基本的には「決算の利益=所得金額」になるとの理解で問題がないでしょう。

 

税率

 現状(2019年10月1日以降。以下同じ)の法人税の税率は下記の通りとなる。

 

所得金額

税率

800万円まで

15%

 

19% ※適用除外事業者の場合

800万円を超える部分

23.2%

つまり年間1,000万円の場合の法人税は下記の通りとなる。

 ・800万円×15%  =120万円

 ・200万円×23.2%=46.4万円

 ・上記の合計:166.4万円

適用除外事業者とは過去3年間の平均所得金額が15億円を超える法人をいう。

地方法人税の計算方法

 これについては元々地方税だったのだが、地域格差をなくすため国が全国から租税を回収のうえ、各地方公共団体へ分配するために創設された税金である。

 名称のためややこしいが、分類はあくまでも「国税」であり納付先は国となります。

 地方法人税については下記の算式によって計算がされる

 「法人税額 × 10.3% = 地方法人税」

地方法人税に関してはあくまでも法人税の一部と認識するとわかりやすいと思います。

法人住民税

法人住民税の計算方法

法人住民税に関しては法人税と比較をすると少々複雑になっております。

具体的には下記表の税額の合計が法人住民税となります。

納付先

計算方法

特徴

都道府県

資本金や従業員の人数に応じて課税

(均等割)

一定金額

赤字でも課税

 

法人税を基礎に課税

(法人税割)

法人税額×税率

市区町村

資本金や従業員の人数に応じて課税

(均等割)

一定金額

赤字でも課税

 

法人税を基礎に課税

(法人税割)

法人税額×税率

  つまり、「法人税割 + 均等割 = 法人住民税」となる。

 なお、東京23区にのみ事務所有する場合は納付先から「市区町村」が無くなり代わりに都民税としてまとめて納付をすることとなる。

 それ以外の場合は原則通り事務所の所在する都道府県及び市区町村へと納税をすることとなる。

 税率に関して

  中小法人の税率は下記の通りである

   ・都道府県の法人税割 1%

  ・市区町村の法人税割 6%

 なお、均等割に関しては基本的に都道府県が2万円、市区町村が5万円の合計7万円となる。

 東京23区の場合は前述の通り納付が都民税のみとなるため、都道府県・市区町村の分を合わせた7万円が納付税額となる。

 均等割の注意事項

 均等割に関してはたとえ中小法人の範囲内であっても法人の規模が大きくなると納税額も増加するため注意が必要となる。

 たとえば東京都の均等割は下記の通りとなる。

 ※東京23区内のみに事務所を有する場合の均等割

資本金当の額

従業員数

税額

1千万円以下

50人以下

7万円

 

50人超

14万円

1千円万超~1億円以下

50人以下

18万円

 

50人超

20万円

1億円超~10億円以下

50人以下

29万円

 

50人超

53万円

 よく「1千万円の壁」と言われる理由の一つがこの均等割である。

 この税金は他の税金と違い、たとえ赤字であっても納税をする必要のある税金である点が大きな特徴となる。

 そのためむやみやたらと資本金を増やした場合思わぬ納税が生じる可能背があるため資本金等の額には重々気を付けましょう。

なお、今までは「中小法人」の場合の税率を記述していたが、均等割だけは「資本金等の額」にて判定が行われる点を注意する必要がある。

  ※資本金等の額※

   資本金 + 資本剰余金 = 資本金等の額

法人事業税

法人事業税の計算方法

 法人事業税に関しても複数の計算項目を合計した金額が税額となる。

具体的には下記①及び②の合計となる

①所得割

所得金額

税率

400万円以下の部分

3.75%

400万円超~800万円以下の部分

5.665%

800万円超の部分

7.48

軽減税率不適用法人

7.48 ※最高税率のみ使用

軽減税率不適用法人とは、資本の額又は出資の額が1千万円以上の法人で、かつ、事務所棟がある都道府県の数が3以上の法人をいう。

②特別法人事業税

上記 ①(所得割) × 37%

法人事業税の補足

  中小法人であれば関係はないが、資本金が1億円を超える場合は「外形標準課税」と呼ばれる事業税も課税されることとなる。

  これは事業所の付加価値(事業所の床面積や従業員数など様々な事項により計算)や資本金等の額に応じて税金が課税される制度である。

  そのため、資本金の額を決める際はくれぐれも注意が必要となる。

申告期限と納付期限

 ここまで触れてきていなかったが、一番重要な事項となる「いつまでに申告をして、いつまでに納付をすれば良いのか」について触れていきます。

 原則

 各税金共通として、決算日から2か月以内に申告を行い、かつ、2か月以内に納付をする必要がある。

 つまり3月決算法人の場合は2か月後の5月末日が申告及び納付期限となる。

 なお、末日が土日祝の場合はその翌日が期限となる。

 

 特例

 「申告期限の延長の特例の申請書」を税務署へと提出している場合は申告期限を1か月延長することが可能となる。

 ※定款に一定の事項の記載が必要

 この場合は申告期限が1か月延長され、決算から3か月後が申告期限となる。

 ただし、申告の期限が伸びるだけであり、納付期限は2か月以内のままである。

 そのため納付は先行して行わなければならない点を注意。

終わりに

 「中小法人対してかかる税金」と一言でいってもこれだけの種類の税金があります。

 会社の経営にあたってはどうしても資金繰りという課題が常に伴います。

 自分がいつ・いくらの税金を払う必要があるのかを理解しておくことで将来の納税に対して備える準備が出来るでしょう。

 決算が到来し、申告を行う間際において納税資金がないという事態を避けるためにも少しでも税金への理解が深まったのであれば幸いです。

 資金繰りといえば、本税が一定金額を上回った場合、申告から半年後に「予定納税」という形で税金の前払いを行う必要のある制度をご存じでしょうか?

 「税金は決算のあとにしか生じない」と考えていると資金に大打撃を受ける可能性があるため正しい納税スケジュールと納税額のシミュレーションは欠かさないよう注意願います。

 「中間納付に関する制度」についてはまた別の記事を詐称願います。

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