交流会や得意先の接待、ブロガーオフ会など、ビジネスは付き合いも大切。何かと経費が掛かります。
中にはその日の飲み代は割勘で、なんてこともあるかと思います。
では、割勘した飲み代は経費になるのでしょうか。
そもそも割勘したら領収書はどうなるのでしょうか。
実は経費は領収書が無くとも計上することができるのです。
今回は実務ですぐに使える、領収書が無くても経費に計上するための方法を説明します。
経費にするための4つのポイント
まず始めに、経費になるための要件として4つのポイントを挙げます。
逆に言うと領収書があっても、この要件を満たしていないと経費として認定されない場合があるので気を付けてください。
- 取引の日付
- 相手先
- 取引内容
- 金額
例えばタイトルにもある通り、割勘で支払った際に経費にするためには以上の4項目を記した出金伝票を残しておく必要があります。
心配な方もいるかと思いますが、この際の証拠書類は出金伝票で十分です。
ただし、その出金伝票は事実に則してあり最低7年は保存する必要があります。
領収書は何番目?証拠書類の強さランキング
支払の証拠書類は領収書以外にもいくつかあります。
会社を経営していると当然そういった書類が多く出てくるので、ここでいったん証拠書類として効果の高いものをランキング形式で見ていきましょう。
第四位:出金伝票
一番信ぴょう性の低い書類は出金伝票です。
領収書が無い時は代替手段として便利ですが客観的な書類と言えず調査対象になりやすいです。
ちなみに出金伝票というと紙の様式に記載しないければならないと思いがちですが、エクセルなどのデータで管理しても問題ありません。
経費にするための4つのポイントで記載した内容が分かるようにしておけばどんなかたちで保存していても問題ないのです。
第三位:納品書
次に納品書になります。
納品したことを保証する書類になるため出金伝票より信ぴょう性は高いですが、支払自体が確約された書類ではないため十分とは言えません。
つまり、納品書だけだと最終的な請求金額が定まっていないとみなされる可能性があるのです。
第二位:請求書
続いて請求書です。
この書類でもって請求額が決定するので証拠書類としては十分通用するものになります。
ただし実際に支払ったかどうかまではわからないため、支払ったことを証明するためにはやはり領収書や口座振替した時の通帳など補完材料が必要になります。
一位:領収書
一番証拠書類として機能するのはやはり領収書になります。
本来であればこの領収書をもって取引が一通り終わると認識されるため大変重要な書類になります。
普段何気なくコンビニや量販店で買い物して受け取るレシートや領収書の、実は書類としての強さが一番なのは驚きですね。
ここまで見てきて、出金伝票が他の書類と比べて順位が低いのには他にも理由があります。
その理由の一つとして客観性の無さが挙げられます。
領収書がないからと自社で出金伝票を作る行為は、どうしても主観的な行為と捉えられてしまいがちです。
そのため悪用すればいくらでも経費を創り出すことができてしまうのです。
しかしこれでは事実に則しているとは言えないため、当然「脱税」とみなされてしまいます。
他にも領収書があるからと安心できない場合があります。
上記で挙げた日付、取引相手、内容、金額が明記されていない領収書は否認される可能性があるため、きちんと確認する必要があります。
領収書を紛失してしまったら
では、領収書を紛失した場合はどうしたらいいのでしょうか。
方法は2つあります。
1つは領収書の再発行です。
2つめは、先ほどの出金伝票に残す方法です。
証拠書類としては領収書を再発行してもらうのが一番良いですが、それができない場合は出金伝票に記すしかありません。
それも経費で大丈夫?税務署対策の心得
最後に日々の営みの中で領収書は発行されないが経費になるものの例を挙げます。
代表的なもので言うと慶弔費があります。
これは取引先の結婚祝いや香典など、付き合いがあれば必ず出ていくお金ですが経費となります。
また、電車やバスなどの公共交通機関の代金も経費になります。
これらは領収書が無い場合、先ほど同様に出金伝票にその記録を残しておきましょう。
注意して頂きたいのが領収書が無いからと言って次々に出金伝票に起こすことです。
確かに領収書が無ければ伝票に起こすしかありませんが、あまりやりすぎると税務署の調査対象になりかねません。
あくまでも税務署は「実態はどうなっているのか」という点で見てきます。
実際に出金伝票の整合性を取るために取引先や店舗に確認しに行くケースもあります。
まとめ
結果として割勘という行為は経費にすることが可能で、他にも領収書が無いような場合であっても経費にすることが可能だという事がお分かりいただけたと思います。
今まで経費にするのを諦めていたようなことも、事実に則していればきちんと経費に入れることができるので安心してください。