クラウド会計freee・MFクラウドのデメリットってないの?

いま、会計業界では「freee」や「MFクラウド」などクラウド会計が流行のキーワードになっています。

クラウド会計ってほんとにメリットばかりなのでしょうか。

デメリットは全くないのでしょうか。

クラウド会計のデメリットについてまとめてみました。

結論としては、クラウド会計にもデメリットがあって、理解して使う必要がある、ということです。

freee・MFクラウドなどクラウド会計全般のデメリット

freeeやMFクラウドはクラウド会計の代表ですが、クラウド会計全般にいえるデメリットをまとめます。

以下のデメリットがあると言われています。

  1. ネット環境が必須
  2. セキュリティが不安
  3. 直接入力はインストール型会計ソフトのほうが早い
  4. ソフト代はそんなに安くならない?
  5. 自動仕訳はカンペキではない
  6. 税理士に丸投げしている方は税理士に相談が必要

ネット環境が必須

どうしても克服できないクラウド会計のデメリットは、ネット環境が必須であるということです。

クラウド会計はすべてクラウド上にデータを保管するので、インターネット環境がないと利用ができません。

セキュリティが不安?

セキュリティが不安という声がありますが、クラウド会計のセキュリティは金融機関並みのセキュリティ対策をしています。

freeeのセキュリティ

たとえばfreeeのセキュリティは以下のように謳っています。

パスワードやID、金融機関へのログイン情報等の重要な情報を暗号化して保護/保存しています。また、通信には金融機関と同等のセキュリティレベルの暗号通信を採用するなど、万全のセキュリティー体制を整えています。
国際的な認証機関である TRUSTe による認証も取得しています。

セキュリティ対策はこれだけ

クラウド会計は厳重なセキュリティをもっています。

あなたのパソコン、あなた自身もセキュリティ対策に関する意識が必要です。

具体的には最低限以下のセキュリティ対策はしておくべきです。

  1. OSを最新の状態にしておく
  2. ウイルスソフトを入れておく
  3. パスワードは推測されにくいものにする、またはパスワード管理ソフトを利用する

難しくないものばかりですが、最低限しておくのと、何もしないでは全く違います。

直接入力はインストール型会計ソフトのほうが早い

直接入力するとインストール型会計ソフトのほうが早いです。

クラウド会計はウェブ上で動いているので、仕訳を登録する都度サーバーにアクセスしなければなりません。

インストール型会計ソフトはパソコン内のハードディスクに書き込むだけですので手入力での処理スピードは当然早いです。

現金取引が多い場合はエクセルの現金出納帳で

現金取引でどうしても直接入力が多い場合は専用のエクセルの現金出納帳テンプレートに入力して、クラウド会計にインポートするという方法で時間をかけずに入力することができます。

自動仕訳や取引の取り込みを使って効率化

クラウド会計はそもそも直接入力を前提に作られていません。

入力の部分は銀行口座の取引を取り込んだり、スキャン・写真撮影で取り込んだり、自動仕訳機能で処理することを想定しています。

手入力が必要な場面が多い場合は、インストール型会計ソフトを使うか、オペレーションを変えるなど業務効率化が必要です。

ソフト代はそんなに安くならない?

ソフト代は大きく安くはなりません。

また、インストール型の会計ソフトであれば購入時にお金を支払って買い切りですが、クラウド会計は使い続ける限りお金を払い続けなければなりません。

クラウド会計の年間利用料金がMFクラウドで8,000円〜、freeeで9,800円〜ですのでインストール型の会計ソフトと大差ないです。

したがって大幅にソフト代が安くなるということはないです。

freeeの料金プラン

プラン スターター

フリーランス・副業の方など

スタンダード

店舗(飲食/小売/理容など)

EC運営など

プレミアム

複数店舗・複数従業員・

法人成り検討など

料金 980円 / 月(税抜)

9,800 / 年(税抜)

1,980円 / 月(税抜)

19,800 / 年(税抜)

39,800円 / 年(税抜)
申告機能 確定申告に対応 確定申告/消費税申告に対応 確定申告/消費税申告に対応
記帳の効率化 自動化による効率化 記帳の自動化や、レシート読取りにより効率化 複数店舗や複雑な入出金も効率化が可能。

電子帳簿保存法に対応。

請求などの

バックオフィス効率化

請求書が作成可能 請求業務・売掛買掛管理・

経営状況の把握も可能

経費精算などの

社内バックオフィス業務も効率化

サポート チャット / メール チャット(優先対応)

メール(優先対応)

チャット(優先対応)

メール(優先対応)

導入サポート / 電話

MFクラウドの料金プラン

フリープラン ベーシックプラン あんしん電話サポート付きベーシックプラン
月額プラン(税抜) 無料 800円 /月
年額プラン(税抜) 無料 8,800円 /年

月額より800円オトク

17,200円 /年
月間仕訳件数 毎月仕訳15件 無制限 無制限
サポート体制

メール

メール、チャット

メール、チャット、電話

MFクラウドの無料プランなら無料になる

クラウド会計でソフト代を極限まで安くするならMFクラウドの無料プランを利用するとずっと無料で使い続けることができます。

ただし月間仕訳件数が15件までに制限されているため、取引が少ない場合は問題ありませんが、取引が増えてくると問題が発生してきます。

自動仕訳機能では15件以上登録できなくなり、振替伝票の行数を追加して手入力をする必要があります。

若干無理矢理ではありますが、無料でクラウド会計をつかうならこの方法がベストです。

自動仕訳はカンペキではない

経理自動化を謳っているクラウド会計ですが、完全に自動化できているわけではありません。

自動仕訳機能は取引先の名前等の銀行口座の取引履歴から分かる情報をもとにクラウド会計が判断しています。

使ってみると一見正しいようにも見えるのですが、クラウド会計は支払いの目的などを理解していないため判断に誤りが発生します。

例えば、クレジットカードで飲食店に支払いをしました。

クラウド会計は、とりあえず交際費で処理します。

しかし、飲食店に一緒に行ったのは家族だったら、事業に全く関係のない支払ですので経費である交際費で処理することは適切ではありません。

このように取引履歴だけでは支払の目的などがわからないため完全に自動で経理処理を完結することはできません。

税理士に丸投げしている方は税理士に相談が必要

毎月税理士に領収書を送って経理処理をしてもらっている場合は、税理士に相談する必要があります。

また、税理士にクラウド会計について勉強して貰う必要が出てきます。

若い税理士であったりITに理解のある税理士であれば勉強してくれることもあるかと思いますが、ある程度高齢の税理士だったり、ITに強くない税理士は積極的に取り入れてくれないこともあります。